昭和35〜36年頃 三角乗り
自転車全体の年間生産台数は伸びているにも関わらず、昭和34年頃までは子ども車の生産台数の占める割合は12%前後で変化がなかった。また大手製造会社製の大人向けで14,000円〜28,000円という価格は公務員の初任給の1〜2ヶ月分に相当した。したがって一般家庭では子ども用自転車を気軽に買い与えることは難しかった。そこでサドルに腰掛けて運転することが出来なかった大人用自転車を子どもたちが乗るために考えたのが三角乗りであった。当時はフレームの大半が三角形をしていたので、この三角形の中に右足を入れて、ペダルを半回転させながらなんとか前に進んだのである。不安定な乗り方なので転ぶことも多かった。