自転車文化センター

平成20年6月改正の道路交通法について

平成20年6月1日より道路交通法及び同施行令の一部が改正され、施行されました。

自転車が歩道を通行することができる場合

これまで道路標識等により通行することができるとされている歩道を通行することができます。
この場合、道路標識等により通行すべき部分が指定されているときはその指定された部分を、指定されていない場合は、歩道の中央から車道寄りの部分を徐行しながら通行しなければなりません。
また、歩行者の通行を妨げることとなるときは、一時停止しなければなりません。

(道路交通法第63条の4)

新たに次のような場合にも歩道を自転車で通行することができるようになります。

  • 児童(6歳以上13歳未満)や幼児(6歳未満)が運転する場合
  • 70歳以上の者が運転する場合
  • 安全に車道を通行することに支障を生じる程度の身体の障害を持つ者が運転する場合
  • 車道等の状況に照らして自転車の通行の安全を確保するため、歩道を通行することがやむを得ないと認められる場合。

ただし、警察官等が歩行者の安全を確保するために必要があると認めて歩道を通行してはならない旨を指示したときは歩道を通行することはできません。

(道路交通法第63条の4第1項第2号に並びに道路交通法施行令第26号)

車道内で道路標識等により自転車の通行すべき部分が指定されているときの通行方法について一部変更がなされました。 歩道内は徐行しながら通行しなければなりませんが、歩行者がいないときは、歩道の状況に応じた安全な速度と方法で通行することができます。

(道路交通法第63条の4第2項)

歩道内に自転車の通行すべき部分が指定されている場合、歩行者はこの部分をできるだけ避けて通行するように努めなければなりません。

(道路交通法第10条第3項)

児童(6歳以上13歳未満)や幼児(6歳未満)が運転する場合、その保護者は乗車用ヘルメットをかぶらせるように努めなければなりません。

(道路交通法第63条の10)

参考資料 自転車の安全利用の促進について

近年、自転車事故が増加するとともに、自転車が歩道を無秩序に通行している実態を踏まえ、今般、自転車の歩道通行要件の明確化等を内容とする道路交通法の改正が行われたところである。これを機会に、自転車に関する交通秩序の整序化を図り、自転車の安全利用を促進するため、国及び地方公共団体は、次の措置を講ずるものとする。
なお、自転車の通行ルールの広報啓発に当たっては、別添の「自転車安全利用五則」を活用するものとする。

  1. 自転車通行ルール及び今般の道路交通法の改正内容(以下「自転車通行ルール等」という。)の広報啓発に努めること また、所属職員に対し、自転車通行ルール等の周知を図り、ルールの遵守について指導を徹底すること
  2. 学校、幼稚園、保育所、福祉施設及び社会教育施設等における交通安全教育、自転車利用者が参加する各種の講習等のあらゆる機会において、自転車通行ルール等の周知徹底を図ること
  3. 日本自転車普及協会、自転車産業振興協会等の関係団体に協力を要請する等効果的な自転車の通行ルール等の広報啓発を実施すること
  4. 自転車利用者の悪質・危険な交通法令違反に対する指導及び取締りを強化するとともに、地域交通安全活動推進委員等と連携して自転車の安全利用を促進するための活動を推進すること
  5. 自転車に係る通行実態・事故実態等を踏まえ、自転車走行空間の整備を推進すること

自転車安全利用五則

  1. 自転車は、車道が原則、歩道は例外
  2. 車道は左側を通行
  3. 歩道は歩行者優先で、車道寄りを徐行
  4. 安全ルールを守る
    ○飲酒運転・二人乗り・並進の禁止
    ○夜間はライトを点灯
    ○交差点での信号遵守と一時停止・安全確認
  5. 子どもはヘルメットを着用

自転車の通行方法等に関する主なルール

通行場所・方法

◆車道通行の原則

道路交通法上、自転車は軽車両と位置付けられ、歩道と車道の区別があるところでは車道を通行するのが原則であり、車道の左側(車両通行帯のない道路では左側端)を通行しなければならない。
著しく歩行者の通行を妨げることとなる場合を除き、路側帯を通行することができるが、その場合は、歩行者の通行を妨げないような速度と方法で通行しなければならない。
【該当規定】道路交通法第17条第1項及び第4項、第18条第1項/第17条の2
【罰則】3ヶ月以下の懲役又は5万円以下の罰金/2万円以下の罰金又は科料

自転車が歩道を通行する場合は、車道寄りの部分を徐行しなければならず、歩行者の通行を妨げるような場合は一時停止しなければならない。
【該当規定】道路交通法第63条の4第2項
【罰則】2万円以下の罰金又は科料

◆交差点での通行

道路を通行する歩行者、または車両等は、信号機のある交差点では、信号機の表示する信号、または警察官等の手信号に従わなければならない。

【該当規定】道路交通法第7条

【罰則】3ヶ月以下の懲役又は5万円以下の罰金

信号機のない交差点で、一時停止すべきことを示す標識等がある場合は、一時停止しなければならない。また、狭い道から広い道に出るときは、徐行しなければならない。
【該当規定】道路交通法第43条、第36条第3項
【罰則】3ヶ月以下の懲役又は5万円以下の罰金

◆横断

道路や交差点又はその付近に自転車横断帯がある場合は、自転車横断帯を通行しなければならない。
【該当規定】道路交通法第63条の6,第63条の7第1項

◆自転車道の通行

自転車道が設けられている道路では、やむを得ない場合を除き、自転車道を通行しなければならない。
【該当規定】道路交通法第63条の3
【罰則】2万円以下の罰金又は科料

自転車の乗り方

◆安全運転の義務

道路及び交通等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。
【該当規定】道路交通法第70条
【罰則】3ヶ月以下の懲役又は5万円以下の罰金

◆夜間、前照灯及び尾灯の点灯

夜間、自転車で道路を走るときは、前照灯及び尾灯(又は反射器材)をつけなければならない。
【該当規定】道路交通法第52条第1項、第63条の9第2項、道路交通法施行令第18条 第1項第5号
【罰則】5万円以下の罰金

◆酒気帯び運転の禁止

酒気を帯びて自転車を運転してはならない。
【該当規定】道路交通法第65条第1項
【罰則】5年以下の懲役又は100万円以下の罰金(酒に酔った状態で運転した場合)

◆二人乗りの禁止

自転車の二人乗りは、各都道府県公安委員会規則に基づき、6 歳未満の子供を乗せるなどの場合を除き、原則として禁止されて いる。
【該当規定】道路交通法 第57条第2項
【罰則】2万円以下の罰金又は科料

◆並進の禁止

「並進可」の標識があるところ以外では、並んで走ってはならない。
【該当規定】道路交通法第19条
【罰則】2万円以下の罰金又は科料

道路交通法の改正による自転車の通行方法等に関するルールの見直し内容

平成19年6月14日に成立した「道路交通法の一部を改正する法律」(平成19年法律第90号)により、次のとおり自転車に関する通行ルール等の規定が見直された。
これらの改正規定は「公布の日から起算して1年を超えない範囲において政令で定める日」から施行されることとなっている。

1.普通自転車の歩道通行に関する規定

  1. 普通自転車は、歩道通行可を示す標識等がある場合のほか、普通自転車の運転者が児童、幼児又は車道を通行することが危険であると認められるものとして政令で定める者であるとき、車道又は交通の状況に照らして当該普通自転車の通行の安全を確保するため、歩道を通行することがやむを得ないと認められるとき、 には、歩道を通行することができる。 ただし、警察官等が、歩行者の安全を確保するために必要があると認めて歩道を通行してはならない旨を指示したときは、この限りでない。
    【該当規定】道路交通法第63条の4第1項
  2. 普通自転車は、歩道の「普通自転車通行指定部分」(標識等により普通自転車が通行すべき部分)として指定された部分については、当該指定部分を徐行しなければならないが、歩行者がいないときは、歩道の状況に応じた安全な速度と方法で進行することができる。
    【該当規定】道路交通法第63条の4第2項
  3. 歩道を通行する歩行者は、標識等により普通自転車通行指定部分があるときは、当該指定部分をできるだけ避けて通行するよう努めなければならない。
    【該当規定】道路交通法第10条第3項

2.乗車用ヘルメットに関する規定

児童又は幼児を保護する責任のある者は、児童又は幼児を自転車に乗車させるときは、乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならない。
【該当規定】道路交通法第63条の10

3.地域交通安全活動推進委員に関する規定

道路交通法に規定されている地域交通安全活動推進委員の活動内容に、「自転車の適正な通行方法についての啓発活動」を追加。
【該当規定】道路交通法第108条の29第3項